今回は、SESの還元率についての記事です。
2022年11月頃から、リツアンのTwitter周りが忙しくなっています。実は、最近リツアンの野中社長、平野副社長がお怒りなんです。
リツアンに入社したエンジニアが、元々高還元SESと呼ばれる会社にいたのですが、そこでいろいろ大変だったみたいなんですよ。で、どうやら給料制度の還元率というものが、間違えて認識しちゃうみたいなんです。
社長としては、これは昔の悪しき派遣の焼き直しだと憤っているんですね。それを受けて、リツアンの幹部、営業が続々とTwitterを本格化したという流れです。
今回は、このツイートから話を掘り下げていきます。
人材派遣会社のマージン率
SES会社の話の前に人材派遣会社について軽く説明します。
人材派遣会社はマージン率の公開が義務付けられています。マージン率とは、簡単にいえば、売上に対する会社の取り分です。
このブログでは何度も書いておりますが、リツアンSTCのマージン率は32%です。そして、給与は68%(=100%-32%)になります。
この68%は給与支払率とも呼ばれます。実際には交通費が別途支給されるので、正確にいえば70%程度ですが、68%が給与と覚えておいてください。
SES会社の還元率
一方、派遣と似た会社に「SES会社」があります。
派遣とSESの違いはここでは割愛しますが、SES会社は、派遣免許はないけど客先常駐業務を行うIT会社と考えてもらえればOKです。
SES会社は人材派遣会社に該当しないので、マージン率の公開は義務付けられていません。
ただこれだと、売上に対しての会社の取り分(=労働者の取り分)が分かりませんよね。そこでSES会社では、給与支払率の代わりに「還元率」という数値を使用しています。
還元率は、旧来のSESは、50%~60%、高還元SESであれば70%~80%に設定されているとのことです。
※もっと高い会社もあるかもしれないので、調べてみてください。
「おっ、リツアンより高い数値じゃないか!じゃあ、そっちにしよう!」と思った方、ちょっと待ってください。次の問題点もしっかり読んでくださいね。
還元率の問題点
SESの還元率には2つの問題があります。
以降でそれぞれを説明していきます。
還元率の定義がバラバラ
実は、SES会社の還元率という言葉は正確に定義されていません。交通費が含まれるのか、手当が含まれるのか、各会社が独自に決定しています。
おいおい、それは困るよというのが本音ですよね。
大体、エンジニアって曖昧な表現を好まないし、SES会社の社長も元エンジニアが多いはずだから、そういうのって気になると思うんだけど、違いますかね。
できたらマージン率などの共通の言葉に置き換えてもらえたら良いのにね、というのが本音です。
還元率には交通費と会社が支払う社会保険料が含まれている
SES会社が定義する還元率には、交通費と会社が支払う社会保険料が含まれています。全ての会社がそうとは断言できませんが、多数がこの計算方法を採用しているようです。
交通費が占める割合は2%~3%程度なので、これだけなら大したことありません。しかしながら、問題は会社が支払う社会保険料で、全体の10%~15%を占めています。
つまり、還元率が80%といっても、給与支払率は多くみても65%~70%。マージン率でいえば、35%~30%です。
還元率という言葉が誤解を招く
で、ここからは個人的な意見ですが、還元率に会社が支払う社会保険料を含めたのが一番の疑問で、違和感の正体となっています。
どなたかご回答いただけたらありがたいです。ご回答いただいても、エンジニアが間違えそうなのはまだ変わらないと思いますが。
また、こちらはリツアンSTCのイケメン営業の片桐さんからの注意喚起のツイートです。
もう一度いいますが、全部が全部こういう仕組みではありませんよ。
が、会社ごとにいろんな制度があって、正確に把握するのが大変だなという印象です。ただそれでも、一労働者として自分の給料をしっかりと知る必要があります。
還元率に何が含まれているかを正確に把握しよう
皆さんどうでしょうか。労働者向けに還元率というと、売上に対する給与の割合と考えてしまいませんかね。
でも、既に読んでもらったように、還元率=給与支払率ではありません。還元率の中には、交通費や会社が支払う社会保険料が含まれています。
また、還元率とは違いますが、単価の上昇が特定の月までは反映されない、といった制度もあるようです。なので、会社の話を聞くとき、以下を出してもらうのがいいでしょう。
この情報を知った上で入社するならば、全然問題ありません。ただ、入社する人は還元率とは何かを正しく理解し、自分の給与の金額を正確に知ろうねという話です。