会社でリファラル(紹介)採用、リファラル(紹介)手当を採用している会社があります。紹介で入社した人がいたら、お金もらえるよという仕組みですね。
僕が所属するリツアンSTCもリファラルを採用しており、約7割は紹介と言われています。そして、紹介以外からは入りにくい制度にしようと考えていた節もありました。
しかしながら、その方向性を撤回し、一般エントリーも拡大方向に転じます。なぜそうなったのか、ということが今回の記事の内容です。
リツアンSTCが一般エントリーを拡大する理由
紹介を重視して一般エントリーをなくすくらいに考えていたリツアンですが、なぜ一般エントリーも拡大方向に転じたのでしょうか。それは、悪意のある新興SESによる被害を防ぐためです。
新興SESとは、従来のSESとは違って従業員への給料が高いとされる会社ですが、何だかんだと複雑な仕組みを用いて給料が低くなるような会社です。社会の制度をあまり知らない若手の人が、制度を深く理解せずに入社し、後悔するという事例が多いのです。
この問題、俺たち天下のゆとりーマンさんの「客先常駐(SES)に転職して全てを失った男。薄給エンジニアの働き方が地獄すぎた…」を見てもらうと非常に分かりやすいです。なお、この動画はリツアンSTC提供ですw
僕のブログでも、還元率について触れているので、興味のある方はぜひご覧ください!
要するに、こういうちょっと危なそうな所に行くよりは、リツアン来た方がハッピーになるよということを言いたいだけです。
リツアンSTCがリファラル(紹介)のみにした場合のメリット
ちなみに、リツアンがリファラルのみにしようとしていたことを書きましたが、その場合のメリットは何でしょうか。僕は以下の3つだと思います。
入社する人の質が上がる
1つ目は入社する人の質が上がることです。
当たり前の話ですが、自分が嫌な人に自社を紹介したいとは思いません。つまり、紹介者側で一定のフィルタをかけることになるので、 一次面接的な役割を果たしていることになります。
通常の採用において、初めて会う人にこのフィルタをかけるのは多大な時間がかかります。この手間を削減できるのは、営業メンバーが少ないリツアンにとっては大きなメリットです。
よく、現場のエンジニアから「何でこんな人入れたんだ」と文句が出ることがありますが、採用側としても「1回~2回会ったくらいで、その人の全てが分かるわけない、そんなこと言われても困る」と思うでしょう。
こんな悲劇も少なくなること間違いなし。
そして、紹介された人は、紹介してくれたことに感謝するし、意気に感じると思います。入社後の仕事の質にも期待ができるってわけです。
採用の費用削減
2つ目の理由は、採用の費用削減です。
大手の転職サイトに広告を掲載すると、多大な費用がかかります。広告サイズにもよるものの、毎月100万円前後の費用がかかるともいわれます。
広告はたくさんの人に見てもらえれば、その価値は大きいです。とはいえ、星の数ほど存在する企業が存在する現在、リツアンにたどり着く可能性はかなり低いと言わざるをえません。
であるならば、広告費用を削減するのが合理的です。採用で社員を増やすのは大事ですが、広告にお金をかけて増やすよりも、エンジニアへの還元を重視すのが社長の考えということです。
その代わりといってはなんですが、エンジニアにも採用活動の一部を担ってもらう。エンジニアに紹介手当を出せば、自主的にリツアンSTCを紹介してくれる。つまり、エンジニアが広告塔+営業になってくれるわけです。
エンジジニアの広告塔といえば僕がその筆頭?かもしれませんが、まあ完全に会社の掌の上で踊らされていると思いますw
PR時にはもぐもぐ手当という飲み会支援費が使われるので、会社は多少の費用はかかります。ただ、直接会って話している分、紹介された方へのPR効果は高くなるし、広告費用よりは抑えることができますよね。
ブランディング
3つ目の理由はブランディングです。
例えば、2021年に流行った「Clubhouse」は紹介制です。(すぐ廃れましたが)また、SNSの「mixi」も、初期段階では招待された人のみ利用できるものでした。
招待されるまでは中は見えませんが、見えないからこそ見たくなるという人間の欲が刺激されます。
つまり、何だか良さそうに見えるということです。
リファラルのみという特徴を打ち出せば、会社的な価値は高まる可能性はあります。もちろん実態が大事なのは言うまでもありませんが。
リツアンSTCはWebエントリーのハードルを上げた
リファラルのみに移行する方針に対する施策の一つとして、エントリー画面の入力項目を増やし、いい加減な人はその時点で脱落させる方式に変更されています。理由は入社を希望する人が非常に多く、時間を取られるからです。
その証拠に、2018年9月~2019年8月の増員数は116名にも上ります。
実際にはこれ以上のエントリー数が発生するので、営業が採用にかける時間は計り知れないでしょう。しかしながら、高還元の給料を維持するためには、営業工数を極力削減しなければなりません。
となれば、良い人材が集まりやすい、いわば濃い関係であるリファラルを主体に添えるのは合理的です。言葉は悪いですが、ホームページやブログからのエントリーは減らすのが良いとの判断でしょう。
この施策によって、入社人数が減る懸念はあります。
でも、リツアンは650名ほどの会社になり、既に規模が非常に大きい。人が増えるのは嬉しいものの、組織が大きくなりすぎても困ることがあります。
そもそもリツアンは、人数を増やし、大企業になって上場するなどの高い意識を持っていない。目の前にいるエンジニアたちを、最大限に幸せにすることを目指した会社です。
ちなみに、エンジニアからの紹介であれば、このエントリーはスキップできます。
素早く営業に辿り着きたいのであれば、リツアン社員と知り合いになり、営業を紹介してもらうのが一手っ取り早い方法です。
最後に:リツアンはリファラルを徹底的に推進
リツアンSTCはリファラル採用を推進しています。それは、会社の活動費用を削減し、入る人の質も向上するからだと僕は思います。
会社が楽をしているという見方もできるが、エンジニアの収入アップ機会が増えることは素直に喜ばしいことですね。
でも、こうやって手当がもらえるのも、最終的には紹介された方が入社してくれたことが全てです。
そして、入社した方がまた新たなエンジニアを入れてもらえれば好循環になります。だからこそ、リファラルをより強化する考えにシフトするのではないでしょうか。