エンジニアの派遣会社で気になる点の一つに「マージン率」があります。
派遣法上、マージン率は公開義務があるものの、正直分かりづらい企業が多い。また、マージン率は公開されていても、派遣者のマージン率と等しいとは限りません。
でもリツアンはマージン率を公開しているし、個々のマージン率も派遣者に伝えます。(といっても、公開しているのと一緒ですが)
結論から言うと、リツアンのマージン率は以下の通りです。
特徴としては、年数に応じてマージン率が変更することですね。
以降で詳しく解説していきます。
リツアンSTCのマージン率
1年目~3年目:マージン率32%
1年目~3年目のマージン率は32%です。
つまり、会社間の単価が60万円であった場合、60万円 × (100 – 32) % = 40.8万円 が総支給額となります。下記に月収の早見表があるので、確認してみてください。

お客様との契約内容によっては、時給が月給だったり、精算幅(140時間~180時間など)が設けられたりしますが、この早見表に沿っています。
全国平均のマージン率を確認できる資料を見つけられませんでしたが、派遣業界全体では30%、ITエンジニアの派遣業界では40%前後と言われているので、低めの数値というのが分かります。
なお、こちらの32%の契約は、後述するフェッショナル契約に対し一般契約と呼ばれています。
4年目~10年目:マージン率20%前後
4年目~9年目のマージン率は20%前後です。
前後と書いているのは理由があって、マージン率が固定ではないからです。具体的に言うと、リツアンは社会保障費+65,000円を単価から引いて、残りを総支給額として支給します。
この制度は「プロフェッショナル契約=プロ契」に合意した人だけ適用されます。というのも、もともと単価がそれほど高くない人にこの制度を適用すると、支給額が減る可能性があるからです。
プロ契については別途記事を追加予定です。
10年目以降:マージン率15%前後
10年目以降のマージン率は15%前後です。
驚くべきことに、リツアンがとるのは社会保障費のみ。マージン(利益)を取らないことから、「さよならマージン」と呼んで宣伝しています。効果はいまいちかもですがw
先にも書きましたが、4年目~9年目のマージンは社会保障費+65,000円。つまり、10年目以降は月収が65,000円、年収が780,000円アップします。
僕がこのままリツアンに在籍した場合、本制度が適用されるのは46歳から。60歳までの14年間、毎年780,000円を受け取ると 10,920,000円 になります。
さらにもう一つのシミュレーション。25歳にリツアンSTCに入社して、60歳まで働いた場合はどうなるか?
社会保障費や税金が引かれるので、この金額が全て使えるわけではありませんが、非常に大きな金額ですよね。
ただ、さよならマージンの社員が増えたとき、会社は健全に保てるかという課題はあるので、会社の動向をしっかりと把握しておかないといけません。
さよならマージンが導入された理由

さよならマージンが導入された理由は以下の2つです。
リツアンには退職金がないからその代わり
がっかりした人もいるかもしれませんが、リツアンには退職金がありません。元々高還元なので、それも仕方ないでしょう。
ただ、さよならマージンで得られるプラスのお金は、退職金と位置づけられるものです。36歳に入社した僕でも約1000万円の退職金がもらえる計算になります。
退職金については以下の記事もご覧いただければ。
「派遣を経由した転職活動」の実現に一歩近づくから
これはちょっと分かりにくいと思いますが、さよならマージンの導入で以下の2つの効果を狙っています。
1つ目は単純に利益が出るということで、これ以上の説明は不要だと思います。重要なのは2つ目で、リツアンが目指す「派遣を経由した転職活動」に繋がること。
企業もエンジニアも、双方が納得して入社できるのが理想ですが、実際はアンマッチが生じます。でも一度派遣エンジニアとして現場に入れば、全部とはいわないものの、その現場のことは分かったようなもの。
企業と求職者双方合うかどうかを判断するには、派遣経由の転職活動が適しています。リツアンはより多くの人に実践してほしいとの考えがある、さよならマージンはそれを促進する制度だと位置づけているわけです。
最後に:エンジニアのためにマージン率減少→Win-Winの関係
もう一度まとめると、リツアンのマージン率は以下の通り。
やはり特徴的なのは、年数に応じてマージン率が減少することと、それが個々のエンジニアにも明示されていることです。これだけ還元して大丈夫なのと不安はあるものの、今のところ大きな問題はなし。
実際、リツアンSTCに10年以上いる人は少ないです。正社員身分ですが、リスクが高めの派遣であることはついて回るので。
しかしながら、派遣経由の転職活動により、リツアン、エンジニア、派遣先でWin-Winの関係を築こうとしていることは覚えてもらえたらと思います。